すでに3日前となってしまいましたが、朝日新聞にこのような記事が掲載されました。
『「歌う電車」消えゆく運命 京急の136両 交代へ』
1ヶ月ほど前から噂されていましたが、これで事実上公式に発表されたことになります。
京急の「歌う電車」の歴史は1998年の2100形車両導入から始まります。2100形では座席などを含めてさまざまな外国製品が採用され、制御装置にも独・シーメンス社製のVVVFインバータ装置が搭載されました。列車の発車時にその制御装置から音階のような音が聞こえるため(実際は連続的に高くなるはずの音を調整して音階のようにしている)、「歌う電車」と称されたのです。約5年間、新1000系1・2次車までこの制御装置が搭載されることになります。
看板車両2100形に搭載されたことから、この「歌う電車」も京急の象徴となってゆきます。ロックバンド「くるり」の「赤い電車」も間奏に2100形の発車時の音がそのまま取り込まれていきました。
しかし、新1000系3次車からモーターは「歌わない」ものとなり(シーメンス製)、さらに2007年に1500系に搭載された国産のVVVFインバータ装置(東洋・三菱製)は新1000系6次車に継続採用されていきます。このような流れの中で、「歌う電車」のVVVF装置交換がここ1ヶ月噂されてきました。
VVVF装置交換には、いくつかの要因が考えられます。まずは交換部品が手に入らない恐れがあること。半導体の寿命は15年程度ですが、外国製であるがゆえに交換用の半導体が手に入りにくいのです。
さらにユーロ高によって、そもそも外国製のものを採用し続けるメリットがなくなったこと、またシーメンス製の制御装置は国産のものに比べ消費電力が若干ですが多いことなどがあげられます(これは技術の進歩によるものが多いのですが)。
企業として利益を考えることは当たり前のことですが、結果として「歌う電車」がなくなってしまうのは残念なことです。ただ、2003年に製造された新1000系2次車(1033F,1413F)はまだ製造から5年しかたっていませんから、VVVF交換まであと少なくとも5年はあると考えられます。その間に「歌う電車」を満喫しておかなければなりませんね。
※なおリンク先の朝日新聞の記事にはこれらの「歌う電車」が廃車となるような論調で書かれていますが、製造からまだ最長で10年しか経過していない電車を5年後に廃車し始めるとは考えにくいのではないかと思います。そのためこの記事では「歌う電車」の消滅を「車両の廃止」ではなく「VVVFインバータ装置の交換」と解釈しています。
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